ハブルータに出会って10年を振り返る ④

ハブルータに出会って10年を振り返る

ハブルータを学んで10年目を迎える今年、過去から現在にかけて、そして未来においてハブルータが私の人生にどんな影響をもたらしたのかを振り返るブログ記事を書いています。

過去の記事はこちらからどうぞ↓

① 「ハブルータとの出会い」

② 「ハブルータのゴールは子育てではなかった」前半

③ 「ハブルータのゴールは子育てではなかった」後半

ハブルータで変わる夫婦関係

今回は「ハブルータで変わる夫婦関係」についてお伝えしたいと思います。

先回2回の記事では、ハブルータを子育てに使いたくて受講し始めたけれど、結局は親として、一人の人間としての「自分自身の成長が最終目的だった」、ということをお伝えしました。

ハブルータを学び始めながら自分の内面を丁寧に聴く習慣がつくことで変わったことがありました。それは夫婦関係です。

哲学者ニーチェの名言にこんな言葉があります。
「結婚生活は長い対話である」
結婚10年目を迎えたころ(ハブルータに出会って3年目ほど)私はこの言葉の意味がだんだんと理解できたような気がします。

夫婦間で価値観が一致しているか否か

結婚とは一組の男女の結びつきではありません。家と家、家系と家系の結びつきです。特に私のように国際結婚をした夫婦にとっては国と国、異文化と異文化の結びつきでもあります。

生活上、必要な言葉を交わす夫婦、これはただ単に情報交換をしているに過ぎません。

結婚をして、子育てをしながら徐々に友人関係が疎遠となり、一日中子供の世話だけをしていると「大人と話をしたい!」そんな欲求が多くなります。私も子供が3~4歳まではそんな経験が多々ありました。情報交換の夫婦対話ではなく、もっと本質的な深い対話を夫としたかったのだと思います。

ハブルータを学んでから、すぐに夫とチャレンジしてみたくなりました。でもなかなか上手くいきません…‘質問を作って!’と頼んでも、渋々総括的な質問だけを作り、短い対話で終了…

「どうしてうちの旦那はこんなにも深い対話ができないの?お義母さんが質問育児をしてこなかったからだ!」と逆恨みをしたり(苦笑)

「ハブルータの講座を夫にも受講させるべきなのか?」と悩んだ時期もありました。

「ユダヤ人の家庭のように大人たちがハブルータをする習慣があれば、我が子にもすぐにハブルータを身に着けさせることができるのに…」と残念に思うこともありました。

「夫が協力してくれないから、我が家ではハブルータを続けられないかも…」そんな焦燥感を抱くこともありました。

その当時の私は「ハブルータを一種の学習スキル」として捉えていた故に「夫の変化」ばかりに目が行っていたからだと思います。

子育てをする際の最重要課題は「夫婦間で価値観が一致しているか否か」だと思います。家庭に二重の基準が存在すること以上に子供たちに悪影響なことはありません。

子供たちにとって必要な、最高の育児環境とは「安定感」。夫婦間で時には意見の不一致があったとしても、すぐに軌道修正できるような対話習慣が夫婦に存在しているのか、これはとても大切な要素だと思います。私が夫に抱く焦燥感や不安は、決して子供にも良い影響を及ぼすことはないと気付きました。

ハブルータで夫婦仲が悪くなってしまっては本末転倒! これじゃいけない、私から変わらなきゃ! と方向転換をしました。

「夫の変化」よりも「私の変化」

夫婦間で良きハブルータができるようになる、それには「夫の変化」よりも「私の変化」が最初に必要でした。

自分自身がハブルータを習慣化しているということです。自分自身の中に「安定感」を持ってこそ、安定した夫婦関係を築く土台を作っていけることに気づきました。

自分の心の声をしっかりと受け止め、理論的に相手に説明する習慣があるかどうか? まずはこれに集中することにしました。夫とのハブルータをすぐに実践する前に、私は近所のママ友たちとの「ハブルータ同好会」を通して、実践演習を重ねていきました。

そうしてハブルータ経験を重ねることで、こんな質問を自らに投げかけるようになりました。↓

  • 私はどんな事が好きで、どんな事が嫌なのか。
  • 私はどんな妻(母親)になりたいのか。
  • 私の目指す親と子の関係はどんな姿なのか。
  • 私にとって「家族」とは、「家庭」とは。
  • 私は30年後、どんな人生を生きていたいのか。

自分の中でこういった質問に対する答えが明確になってこそ、実生活に変化が訪れます。

曖昧で抽象的な「何か」を外に(夫に)求めるのではなく、実際に自分ができる努力をコツコツと始めていく、この大切さをハブルータは教えてくれました。

同時に、今までいかに男女間の違いを理解していなかったのか、という反省もできるようになりました。

ハブルータを楽しむ姿は夫の中にも変化をもたらした

男性は女性よりも、理性・理論・結果・達成といった世界観で生きている人たちです。女性の感性・感情・プロセス重視の対話方法にイライラすることがあります。

ハブルータの良さは「男女ともに理解、納得、満足できる対話法」であるということです。

自分の思いを表現し、対話のプロセスを楽しみながらも、結局は自らが解決策を見つけることができ、達成感を得る対話の時間となります。

ハブルータをすることで私には「男性脳・男性的対話方法」が身に付き、夫には「女性脳・女性的対話方法(結果に至るプロセスを楽しむ余裕)」が身に付きだしました。

そして、私がハブルータを楽しむ姿は夫の中にも変化をもたらしたようです。

「何かに熱中し、自分自身と家庭を成長させようとする妻」がとても賢明に見えたそうです。^^ 徐々にハブルータに対する拒否反応がなくなっていき、私がハブルータを子育てに生かすことに1年、2年、ハブルータを学び、実践し、家庭だけではなく、周囲の人たちにまで拡散し続けてきた私の過去10年を、夫は高く評価してくれています。

「最初はハブルータハブルータって言われても、よく分からなかったけれど、子供たちの姿を見ながら、貴女が取り入れてきたハブルータってすごく効果があったと今は実感している」と最近は話してきます。

今さら分かったか… と心では思っていますが、口には出しません。(苦笑)

ハブルータを通して互いの成長を助け合う

ハブルータを夫婦関係に生かすことで、私と夫は「互いの足りない部分を相互補完」できるようになったと思います。そして「相手の立場」で俯瞰して、慎重に言葉を選んで傾聴できる対話習慣を身に付けることができました。

結婚生活は、長い長い対話です。どんな対話を交わし合うのかが、その夫婦の人生の価値を決定していくと思います。

ハブルータを通して互いの成長を助け合うことができる、善きパートナー・同伴者となりながら、長い結婚生活(対話)をこれからも一緒に送っていきたいと思います。

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