<2022年2月22日>福山ゆりオンライン講演会②
オンライン講演会文字おこしの第2弾です。
2.幸せな人生とは?
初めからちょっと暗い話題でスタートしてしまいました。
今からは話題を明るくしてお話ししていこうと思います。現代を生きる日本人、そして日本人の家庭が
あまり幸福感を感じていないという現状については理解していただけたと思います。
それでは幸せな人生を送るためにはどうすればいいのか、という解決策を
これからご紹介していきたいと思います。
「幸せな人生を送りたい!」この世に生きるすべての人がそう思っていることでしょう。
ここで一つ質問です。
「あなたにとって、幸せとは一体何ですか?」そう聞かれてすぐに答えがパッと思いつくでしょうか。
即答できる方は、そう多くないかもしれません。
「幸せって何だろう」そう自分自身に問いかけてみると案外漠然としていることが分かってきます。
私達は目的地がはっきりしないまま到着地点を探し出すことはできません。
ここでまず「幸せとは何か?そして、人はいつその幸せを感じるのか?」
という問いかけをしながら話を進めていこうと思います。
今日は「最新脳科学で分類された3つの幸せ」というものをご紹介しながら、
私たちが幸せを感じる瞬間、そしてそのための要素が何であるのか、
どうすればその3つの幸せを手にし、また維持することができるのか?
それをご紹介していきたいと思います。
そして、最後にこの「3つの幸せとハブルータの関係」についてお話ししていこうと思います。
最新脳科学で分類される、3つの幸せ
今日の講演では、精神科医の樺沢紫苑氏の著作を参考にしていますので、
関心のある方は是非一度読んでみてください。
とても興味深く、またすぐに日常生活で実践できる良書です。
この本によれば、「私たちが幸せだな~」と感じる時に、
どんな脳内物質が出てくるのかという研究が昨今明らかになったそうです。
約100種類以上の脳内物質を、大きく3つに分類すると
「セロトニン・オキシトシン・ドーパミン」に分けられ、
多くの科学者からは「3大幸福物質」と呼ばれています。
まず第一に、セロトニンが脳内に出ている状態とは、
運動をした後やぐっすり眠った後の爽やか・すっきりとした幸福感を感じる時です。
次に、オキシトシンは他人やペットとの繋がりを感じた際に出てきます。
あるいは赤ちゃんを抱っこしている時の愛に包まれた幸福感や安心感としても表現されます。
このオキシトシンは、 女性達が妊娠出産乳幼児を育児しながら多く分泌される物質なので
名前を聞いたことがある方は多いと思います。
最後に、ドーパミンが出ていると、心臓がドキドキするような高揚感を伴う幸福感を感じます。
ドーパミン、オキシトシン、セロトニンこれらが十分に分泌されている状態。
それが私たちが幸せを感じる状態なのです。
まずは脳内でこの「3つの幸福物質が出た状態こそが、幸せである」とわかりました。
では次に、この3つの幸福物質が、それぞれどういった条件や行動で分泌されるのか分かれば、
私たちは継続して幸せな状態を保つことができるわけです。
3つの幸せの特徴
その前に、3つの幸せの特徴をもう少し詳しくご紹介していこうと思います。
著者は100種類以上の脳内物質を大きく3つのタイプとして分類していますが、
必ずしもセロトニンだけオキシトシンだけと単体で分泌されているわけではないそうです。
私たちの脳内には一度に複数の脳内物質が存在していますが、ここでは本書に書かれているように、
分かりやすく「00的幸福」という大きなくくりでご紹介しています。
- セロトニン的幸福とは、一言で言うと「心身が健康である、という幸せ」です。
爽やか・リラックス・体調が良い・気分が良い、といった状態を持続させるときに私たちはセロトニン的幸福を感じることができるのです。 - オキシトシン的幸福とは「愛と繋がりによる幸福」です。家族や友人との人間関係、コミュニティへの所属など他者との交流や関係によって生まれてくる幸福感です。イメージは繋がり、スキンシップによって得られる安心感です。セロトニン的幸福との違いは、自分一人で「良い気持ち、清々しい!」 と感じるのがセロトニン的幸福であり、誰かと一緒にいることで「楽しいな~嬉しいな!」と感じるのがオキシトシン的幸福です。
- ドーパミン的幸福とは、「お金や成功による幸福」富や名誉、地位などを得ることで感じる幸福感です。ドーパミンは脳を興奮させるためドーパミン的幸福には高揚感が伴います。イメージは何かをやり遂げた時の達成感です。例えばスポーツ大会で優勝し、やった!と大喜びするような状況、大金を手に入れたり、昇進したりして地位や名誉を得ることで私たちはドーパミン的幸福を感じます。
セロトニン的幸福やオキシトシン的幸福は「静かな幸福」ですが、ドーパミン的幸福は「大きな、激しい幸福」です。そのため多くの人は高揚感や興奮が伴う、このドーパミン的幸福を目指したくなる傾向にあります。
但し、ここで注意すべきことがあります
- ドーパミン的幸福とは「もっともっと!と求める物質」なのです。 ドーパミンは私たちの「モチベーション・やる気の源」です。ドーパミンが出るからこそ頑張れるし努力ができます。そして結果として自己成長にもつながっていきます。また「楽しい・面白い」といった感情もドーパミンの持つ良い要素です。ただ、これにあまり依存しすぎると、「もっともっと上に、もっともっとたくさん」と、際限のない物欲や名誉欲に人は翻弄されてしまうことがあります。このドーパミンはお酒やゲームなどの中毒症状にも関連するため、注意が必要です。
3つの幸せの性質
では次に、これらの3つの幸せの性質、そしてどのような順番で3つの幸せを追っていけばいいのかをご説明していきます。
「心身の健康」「愛とつながり」「お金と成功」これら全てが手に入ればいいな~と思いますよね。
しかし、この3つの幸福を全て手に入れる人は非常に少ないのではないでしょうか。
その理由はなぜでしょうか。まずは、この3つの幸せの存在自体を知らないこと、そして幸せの性質をよく理解していないためだと思います。
まず、幸せの持つ性質について簡単にご紹介していきたいと思います。
- 一つ目の性質、それは BE(ある、存在する) の幸福なのか、DO(行動)の幸福なのかで分けることができます。
セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福とは BEの幸福です。そこにあること・存在することで、幸福を感じるということです。朝起きて健康のありがたさを感じる、最愛のパートナーと一緒に食事をする、こういった「当たり前のことを当たり前と思わず」に日々感謝することが必要です。それに対してドーパミン的幸福とは、行動や努力の結果与えられるDOの幸福です。この幸せを得るためには目的がはっきりしていることが必要です。「何のために私はお金を稼いでるのか?なぜお金持ちになって成功したいのか」という問いかけを常日頃習慣化しながら、このDOの幸福を得ていくことが必要です。 - 二つ目の性質、それは幸福とは結果でなく、プロセスであるということです。人は何か大きな目標を達成したり、大金を手に入れたり、スポーツ大会で優勝したその瞬間、ドーパミンは大量に分泌します。しかしこの大きな幸福ドーパミンは、永続的ではありません。幸せとは、「今この一瞬の状態」であり、結果でなくプロセスなのです。今この一瞬一瞬が幸せであることこと、 階段のずっと先でなく登っている今が幸福な状態であるかどうか、ということです。「今にフォーカスする」という言葉は、最近世間でよく聞く言葉ですが、私たちは小さな達成感や幸福感を一つずつ積み上げて行くように、幸せを感じて生きていくことが大切です。
- 三つ目の性質、それは幸せには「減る幸せと減らない幸せがある」ということです。日本人2万人を対象にした調査で、世帯年収が1千万円を超えると、それ以上幸福度は増えないという調査結果がありました。 ある程度の金額(800~1000万円)まではお金があることを幸せになるとされますが、それ以上お金が増えても幸せはほとんど増えないということです。分かり易い例では、宝くじの幸福感持続は2ヶ月までと言われています。それどころか、ドーパミンは「もっともっと」を要求するためたとえ3億円当選しても、その幸福感はすぐに目減りしてしまうし、もっとお金が欲しくなってしまうのです。ドーパミン的幸福は減っていく幸せです。これはとても重要な特徴です。同じ刺激を受けたとしても、次にはより多くの刺激がないとドーパミンは出てきづらくなります。一方でセロトニン的幸福とオキシトシン的幸福は減らないか減りづらい幸福です。例えば大好きな自然の風景は何度見ても清々しい気持ちになりますし、可愛い赤ちゃんを抱っこして飽きるということはありませんよね。幸せには、減る幸せと減らない幸せがあるということを私たちはよく理解すべきです。
- 四つ目の性質、それは幸せの掛け算をすることで、三つの幸福を手に入れることができる!ということです。例えば、お金を稼いだ時にドーパミンだけでなくオキシトシンを一緒に出すということが大切だそうです。そうすると同じ幸福感を持ちながらも、劣化しづらい幸せになっていきます。オキシトシンとは感謝をすることや感謝されることで分泌されます。そのため、お金を稼いだら、感謝をする・感謝をされる使い方をする、ということを意識する。これらがと幸福の掛け算となっていきます。
最も重要なこと
ここまでお話しした幸せの性質を、よく理解し、最も重要な事は追い求める順番を間違えないようにすることです。これが何よりも大切なことです。
幸せな一生を送ることが出来る人とは、上図のように「心身の健康」⇒「愛と繋がり」⇒「お金と成功」。
この順番をきちんと守っています。
セロトニン的幸福の次に、オキシトシン的幸福。そして最後にドーパミン的幸福、この順番が大切です。
ドーパミン的幸福とは、これこそが最高の幸福だ!と人々は思いがちですが、実は一番最後です。
この順番を間違えてしまうと、幸せになるどころかむしろ思いっきり、不幸になる可能性があります。
では次に、その詳しい理由をご説明いたします。(③へつづく)
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